あさきゆめみし ミニライブレポ&インタビュー
※写真左からKey.伊藤くれあVo./Agt阿部竜也 Dr.渡辺剛 Gt.渡邉優海 Ba.いくや
【あさきゆめみしProfile】
2013年10月、Vo./Agt阿部竜也、Gt.渡邉優海、Dr.渡辺剛によりを結成。2015年2月、専門学校ESPミュージカルアカデミーマネジメント科主催のオーディションに合格。実習アーティストに選ばれ同年3月より本格始動。
Ba.いくや、Key.伊藤くれあをサポートに加え、ライブハウスやイベントなどに多数出演し、2015年12月2日には自身初のCD『雨の約束』を全国リリース。
2016年4月より、サポートだったいくや、伊藤が正式加入。
♪♪そんな期待の若手バンドである彼らに迫ったミニライブレポート&インタビューを、本誌を手に取って頂いたあなたのためにお届けします!♪♪
【ミニライブレポート】
取材・文 / 武田祥吾 撮影 / 斉藤明
彼らに初めて出会ったのは、夏真っ盛りの八月初旬。下北沢のあるライブハウスだった。 その日の夜、東京は夏特有の突発的な豪雨に見舞われ、傘も無用の長物となるほどであった。私は良いバンドのライブが行われるという話を聞きつけ、ずぶ濡れになりながら会場に走り込んだ。 ライブハウスにありがちな固く重厚な扉を開けるとすぐ、JAZZを思わせるしっとりとしたメロディと優しく力強い歌声が、雨だか汗だがわからない不快感を纏った身体を包み込んだ。 一曲、もう一曲、彼らの演奏は続いていく。 決して派手ではないが、丁寧で温かみのある音色。 Vo./Agt阿部の声に一閃、Key.伊藤のコーラスが素晴らしいコントラストを与えている。 また他のメンバーも確かな技術に裏打ちされた軽快なリズムを刻む。これもvo.阿部のメロウな歌声と相まって、とても心地の良い時間が流れていた。 それぞれ各々が時折目を合わせ、互いの息遣いを感じながら演奏する姿が印象的だった。 そんな彼らの演奏に浮かされるように、私だけではなく他のお客さんも徐々にステージに惹きこまれていく。いつしか手で、足で、リズムを取り、全身で彼らの音を楽しんでいた。まさしくここにあったのは「音楽」であった。 ―彼らの持ち時間である30分、計4曲の演奏はあっという間に過ぎた。 彼らの演奏が終わり、行きと同じく固く重い扉を開け外に出ると、つい先程までの雨は嘘のように止み、夜空には星が煌めいていた。 そこには良い音楽に出会った喜びと、雨上がりの夜風が気分良く吹いていた。 【インタビュー】取材・文 / 武田祥吾 撮影 / 斉藤明
あさきゆめみしの成り立ち ――はじめまして!まずはバンド結成時のお話から聞かせてください。 2013年の結成当時はVo/Gt.阿部さん、Gt.渡邉(優)さん、Dr.渡辺剛さんの3名がESPで出会ってバンドを結成したんですよね?(あさきゆめみしProfile参照) 渡邉(優): 元々僕と阿部があさきゆめみしの前身となるバンドを組んでいたんですが、その当時のドラムが脱退することになったんです。自分もそれを機にバンドを辞めようと思っていたんですが、ESPの先生から「簡単にバンドを辞めるな!」とお叱りがありまして(笑) そこで同じ学校内で新しいドラムを探しているとき、見つけたのが渡辺(剛)だったんです。 2014年6月頃に当時のベースが脱退し、そこから3名で活動を始めました。 ――その後、以前よりサポートとして入っていたBa.いくやさんと、Key.伊藤さんが 2016年4月より正式にメンバーとして加入されました。 お二人から見て、加入前はあさきゆめみしはどんなバンドだと思いましたか? また初期メンバーの方々は、お二人についてどう思っていましたか? いくや: まず難しいコードがいっぱいあるなーって思いました。 伊藤: たしかに(笑) 渡邉(優): 僕らは新しい二人についてはまず単純に(演奏技術が)巧いなって思いました。 渡辺(剛): 二人は弾くのも巧いし、人間的にも素晴らしい人たちだったので大歓迎でしたね。 ――こうして晴れて五名での活動となったわけですが、そもそも「あさきゆめみし」と いうバンド名はどなたが考えたんでしょうか?またバンド名の由来やどんな意味が込められているのか等もお聞かせください! 阿部: 「あさきゆめみし」という名前を持ってきたのは渡辺(剛)ですね。 渡辺(剛): 一般的にバンド名って横文字の方が多いと思うんですが、自分たちも横文字にしちゃうとライブとか出たときにインパクトが薄いなと思ったんです。そこで印象に残る名前は無いかなと考えたときに、日本語で、しかもひらがなのみのバンド名なら印象に残ると思いました。 そこで色々考えて「あさきゆめみし」という響きがきれいだなと思って、皆に提案しました。 阿部: 意味としては後付けになってしまうんですが、僕らのライブに来て頂いたり、CDで曲を聴いて頂いている、その短い時間だけでも日常の嫌なことを忘れて、夢をみてほしいということを込めて、「あさきゆめみし」という名前にすることにしました。 ――それが「癒しを求めて情景(ゆめ)を見る」というバンドのコンセプトに繋がっている んですね。 楽曲制作について ――続いては楽曲制作についてお伺いしたいと思います。2015年12月にはあさきゆめみしとしては初のCD『雨の約束』を全国リリースされました。 あさしゆめみしの楽曲はどなたが作られているんですか? 阿部: 基本的には作詞作曲ともに僕が担当しています。自分がギターで仮歌を作ってきて、あとはそれをスタジオに持って行ってメンバーと一緒に編曲するというスタイルでやっています。 ――阿部さんが曲を作られる際は曲先ですか、それとも詩先でしょうか? 阿部: あーそれは場合によりますね。ギターのコードの流れから「これいいな」っていうものがあったら、そこに歌詞を付けたりとか、最初に歌詞を書いてからそこにメロディを付けて、どういう進行でいこうかとか。 ちなみに昨年末に出したCD『雨の約束』にはタイトル曲「雨の約束」と「手」の2曲が収録されているんですが、「雨の約束」は初めにギターでコードだけ決めて、後からメロと歌詞を付けていくという感じで作りました。反対に「手」の方は、先に歌詞を考えてから、そこにメロを考えていくという風に作りましたね。 ――歌詞を書かれるときは、阿部さんの実体験をもとに考えるのですか? 阿部: 歌詞を書き始めた当初は、けっこう実体験を入れてしまっていたんですが、最近は極力入れないようにしていますね。 ――ちなみに先ほどお話に出た「手」という楽曲については?(笑) ※「手」は大切な人を失ったあとに、その存在の大きさに気づく、淡く切ないラブソ ングです。 阿部: モロ実体験です(笑) ――つらい体験も沢山されてきたんですね(笑) ――先日下北沢で行われたライブを私も実際観させて頂いたんですが、あさきゆめみしさんの楽曲は全体を通して落ち着いた、しっとりとした雰囲気のものが多いなと感じました。 阿部さんが“あさきゆめみし”として曲を作るとき、このようなコンセプトを元に作ろうとか、こういう雰囲気を大事にしようといったことは考えていらっしゃるんですか?阿部: 基本的には僕の好みが反映されているというか、元々激しい曲よりかは落ち着いて、ゆったりとした曲が好きなので、自然とあさきゆめみしの楽曲も、そういう雰囲気のものが多くなってますね。
あとは編曲の時に「JAZZ要素を入れてみよう」とか「もっとおしゃれな雰囲気にしてみよう」とか、メンバー皆の意見を取り入れながらやっています。
――これまでは主に阿部さんが作られた楽曲についてお話を伺いましたが、阿部さん以外の方が曲を作られたりはしないんですか? 阿部: 最近ドラムの渡辺(剛)君が、歌詞を書いてるみたいなんですが、まだ見せてもらってないんですよねー。 渡辺(剛): ちょっと恥ずかしくて見せられないです(笑) 阿部: あとは伊藤さんが、昔組んでたバンドでは作詞作曲をしてたとかしてないとか、、、 伊藤: してました!ただ出来栄えというか、出せるかどうかはわからないです(笑) ――それでは今後、もしかしたら他のメンバー作詞作曲が聴けるかもしれませんね。 個人的には渡辺(剛)さん作詞の曲が楽しみです(笑) あさきゆめみしの今後 ――あさきゆめみしのこれからを教えてください! 阿部: とりあえずバンドとしては今年、ワンマンや企画ライブ、レコーディング等が決まっているので、それに向けて全力で取り組んでいこうと考えています! 渡辺(剛):今後の目標としては、これ(音楽)でご飯が食べられるようになりたいですね。 渡邉(優): 僕も、もちろん音楽で生計を立てられるようになれば一番良いですね。ただ現実問題として、僕らがやっている音楽って万人受けするタイプではないとも思っています(笑) だからといってやりたい音楽を変えるのではなくて、あさきゆめみしの音楽をいいなと思ってくれる人に向けて、僕らの好きな音楽をやっていければなと思っています。 いくや: 自分としてはBGMのような感じでもいいので、日常の、生活の一部として僕らの音楽を聴いて貰えたらいいなと思っています。 伊藤: 私も同じで、好きな人の大切な時間に聴いて貰えたら嬉しいですね。 ――最後になりますが、本誌をご覧の読者に向けて一言をお願いします! 渡邉(優): ではバンドを代表して僕から! たぶんあさきゆめみしの音楽は、一般的にあまり馴染みのないものだと思うので、ぜひ一度ライブに来て頂いて、身体で感じて頂けたらなと思います。よろしくお願いします! ――あさきゆめみしのみなさん、お忙しい中ありがとうございました! 今後も彼らの活躍に注目です!!